思い出の美術館126:陶磁器コレクション(ドレスデン、ドイツ)2010/01/16 18:58

ザクセン王宮のツヴィンガー宮殿にある、もう1つの美術館が” 陶磁器コレクション”です。 アルテ・マイスター絵画館を出て、宮殿の中庭を横切って、宮殿の南翼に入ると、 陶磁器コレクションへの入り口があります。アルテ・マイスターの入場券で、ここにも入ることができます。

ここには、アウグスト1世が集めたコレクションを中心とする、歴代の陶磁器の名器が収蔵されています。王は、自らを”陶磁器病”と形容するほどの陶磁器マニアでした。中国、日本の陶磁器をはじめとして、この近くのマイセン窯の優品もあります。

日本の陶器が壁一面に装飾的に展示されています。これは、18世紀にアウグスト王が、日本の陶器を展示するために作った、”ヤパーニッシェ パレス(日本宮殿)”を再現したものです。17、18世紀の有田、伊万里や柿衛門が中心となります。おそらく、長崎の出島を経て、オランダ商人によって輸出されたものでしょう。中国陶器は、主に明時代のもので、清代のものもあります。

ここからマイセンまでは、電車ですぐなのですが、私たちは時間がなくて、行けませんでした。

”タブラトゥーラ”コンサート2010/01/17 20:09

今日は、古楽のユニット、”タブラトゥーラ”のコンサートに行ってきました。リュート奏者のつのだたかし氏を中心とするユニットです。今回は、ゲストとして、バロック・ヴォーカルの波多野睦美さんが出演しています。彼女の歌は、昨年も聴きました。

このグループは、バロック・リコーダーやフィドル(ヴァイオリンの先祖)などの古楽器を使って、ルネッサンス、バロック期の音楽を演奏しています(なお、フィドルの人は、この写真ちはちがって、女性でした)。

今回は、メンバーの自作の曲を中心とするプログラムでした。古楽としては、イギリス古謡の”スカボローフェア”などがありました。つのだ氏は、しゃべりもなかなか手慣れていて、笑いのある楽しいコンサートになりました。

思い出の美術館127:バウハウス・アルヒーフ(ベルリン、ドイツ)2010/01/23 16:08

ベルリンのティーアガルテン(動物園)の南にある、地下鉄(Uバーン)のノーレンドルフ・プラッツの駅を降ります。北にむかう道を歩いて行くと、ラントヴェーア運河に出ます。運河に掛かる橋を渡ってすぐ、右側に白い建物が見えてきます。これが、20世紀デザインの原点、 バウハウスの作品を展示する、 バウハウス・アルヒーフです。

バウハウスは20世紀始め(1919年)に、建築家のグロピウスや画家のクレーらによって、創設されたデザイン集団、そしてデザイン教育の学校組織です。始め、ワイマールに建てられましたが、その後、デッサウに移転しました。ここで、現代デザインの萌芽となる多くの作品が生まれました。しかし、ナチスによる弾圧を受けて、1933年に閉鎖され、主要なメンバーは、アメリカへと移りました。

バウハウスの看板のところから、細いわたりろうかを歩いていくと、未来的なデザインの白い建物に来ます。この建物は、グロピウスのデザインに基づいているそうです。渡りろうかにそってぐるっとまわりながら下りると、美術館の入り口です。

始めの部屋は、建築に関する展示です。グロピウスやミース・ファン・デア・ローエの建築模型があります。現在の目で見ても、その新しさは色あせていません。次に、テキスタイル、陶芸、食器類、タイポグラフィーなどの展示があります。クレー、カンディンスキーやシュレンマーの絵もあります。次に、イッテンの色彩教育の展示です。Yokoの専門分野ですので、解説をしてもらいました。

奥の部屋は、家具類です。ブロイヤーのパイプ椅子(ワシリー・チェア)、ローエのバルセロナ・チェアなどがあります。壁面一面に椅子を並べた展示は圧巻です。

入り口近くに、ショップがあります。カタログや絵はがきだけでなく、食器やおもちゃなどのバウハウス製品を売っているのはうれしいですね。そして、ここのカフェでお茶をしました。食器がバウハウスでなかったのが、ちょっと残念。

台湾のおまんじゅうとさんざしの実2010/01/24 20:20

大通公園では、雪祭りの準備が行われています。昨日は、おてしおで、色うるおい講座がありました。今回のテーマは青でした。その様子は、さっそく”うるおい講座ブログ”に出ています。2010年もよろしくお願いします。

そして今日は、Bund Cafeでお茶をしました。お茶受けに、台湾のタロイモのおまんじゅうをいただきました。ちょっとネットで調べたら”紫晶酥”というそうですね。うす紫色の餡がきれいです。その前にある赤いのが、さんざしの実です。酸っぱい味が、お茶によく合います。

思い出の美術館128:ゲメルデ・ガレリー(絵画館)(ベルリン、ドイツ)2010/01/30 17:26

ベルリンの地下鉄(Uバーン)のポツダマー・プラッツ駅で降りると、ポツダム広場です。ここには、かつてのベルリンの壁の一部が保存されています。ここから西にむかって歩いていくと、ソニー・センター、ベルリン・フィルハーモニーを過ぎて、クルトゥーア・フォールムという美術館群があります。このなかにあるのが、 中世 - 近世絵画の殿堂、ゲメルデ・ガレリーです。

ここのコレクションは、かつてベルリン郊外のダーレム美術館にあったものを移動したものです。そのコレクションは、もともとは、ブランデンブルグ選帝候フリードリッヒ・ウィルヘルム王とプロイセンのフリードリッヒ2世の宮廷コレクションでした。イタリア、ドイツ、オランダの、ルネッサンスからバロック期の絵画が中心です。

受付を通って右側にならぶ部屋は、ドイツ絵画の部屋です。中世のキリスト像、祭壇画があります。また、ドイツ・ルネッサンスの、デューラー”聖母像”、クラナッハ”ヴィーナスとキューピッド”などの有名作品があります。

さらに進むと、オランダ、フランドル絵画です。ここには、この美術館を代表する作品が集まっています。ブリューゲル”オランダの諺”、ルーベンス”アンドロメダ”、レンブラント”ベレーをかぶった自画像”があります。そして、見逃せないのが、フェルメール”真珠を持った若い女”、”ワイングラスを持つ女”の2点です。これで、今回のドイツ旅行では、4点の フェルメールを見たことになりました。

反対側の部屋は、イタリア美術です。フラ・アンジェリコ”最後の審判”、ボッチチェリ”聖母と聖人”があります。そのほかに、ラファエロ、チチアーノ、カラヴァッジオなどの優品があり、なかなか見切れません。あまりにも名作が多いので、このあたりまで来ると、観賞するのにも、少し疲れてきます。

帰りに、ここのカフェテリアでお昼を食べました。値段も安くて、なかなか美味しかったですね。クルトゥーア・フォールムには、他に、工芸美術館、版画素描美術館、美術図書館がありますが、時間がないので、今回はあきらめました。