思い出の古寺42:東慶寺(鎌倉、神奈川) ― 2011/08/06 20:18
横須賀線の北鎌倉駅で降りて、駅の西の道を南に歩いて行くと、左に円覚寺へ行く道が見えます。そこを過ぎてさらに歩いて行くと、すぐ右に東慶寺があります。縁切り寺として有名な寺です。
この寺は、鎌倉時代に北条時宗の夫人である覚山尼によって、建立されました。代々、名門の女性が住職を務めた禅宗の尼寺でした。鎌倉尼五山の第二位とされていました。しかし、明治時代に、男性住職の寺に改められました。
山門に入ると、右側に本堂があります。左には菖蒲園があります。本堂の奥には宝蔵があります。ここには、寺に伝わる仏像、仏画などが展示されています。中でも、地蔵菩薩像が、小品ながら優れていて、印象に残りました。変わったところでは、このお寺らしく、縁切り状も展示されていました。
江戸時代には、妻から離縁することはできなかったのですが、この寺に駆け込んで3年修行すれば、離婚が認められました。この縁切り寺法は、悩める女性を救うために、覚山尼によって制定されたといいます。
円覚寺の鐘楼の近くの茶屋に上ると、この東慶寺の全景を見渡すことができます。
晩夏に貴妃茶セット ― 2011/08/07 20:39
映画”マーラー” ― 2011/08/08 20:19
昨日、ドイツ映画”マーラー”を見てきました。原題は、”長椅子の上のマーラー”です。この題のように、この映画は、マーラーが長椅子に寝てフロイトの精神分析を受けるというのが、枠物語になっています。分析の過程での、マーラーの回想として、アルマとの結婚、アルマの不倫などのエピソードが描かれます。
それにしても、このアルマという人はすごいですね。マーラー、クリムト、グロピウス(建築家)を始めとして、つきあっている人が天才ばかりです。でも、この映画を見ると、マーラーとの結婚生活はあまり幸福なものではなかったようですね。作曲をマーラーに禁止されるというところは、この前見た、ナンネルの映画を思い出させます。
映画に出て来る、ウィーン世紀末デザインも、見所の1つです。アルマの両親の家には、ウィーン工房の家具がありました。
北京・故宮博物院展 ― 2011/08/13 20:54
北海道近代美術館でやっている、故宮博物院展に行ってきました。今日は暑い日なのに、とても混んでいました。しかも、中国美術に興味がありそうには見えない人が多かったのは、ちょっと不思議。
展示品は、ほとんど清朝のもので、唐宋期のものはなかったのは、残念。清朝の乾隆、光緒期の豪華な品々が並びます。満州族である清朝は、漢族文化にコンプレックスを持っていたので、皇帝は勉強家でした。皇帝自身による見事な写経がありました。
皇后の服は、美しい黄色です。黄色は、五行思想では”土”に相当し、中央を表すので、皇帝の象徴となりました。美しい青色の衣装も、印象に残りましたが、この青は何かを表しているのでしょうか。
思い出の古寺43:松陰神社(萩、山口) ― 2011/08/14 19:53
東萩の駅前からバスに乗って南に進み、 松陰神社前で降りるとすぐ、 松陰神社の鳥居があります。ここは、吉田松陰を顕彰するための神社です。
ここは、明治23年に、松蔭の教え子たちによって建立された、比較的新しい神社です。松蔭の松下村塾の地に建てられました。境内には、松下村塾や松蔭歴史館などがあります。
吉田松陰は、この地の出身で、佐久間象山等に師事して勉学にはげみました。若いときに、ペリーの黒船に密航を試みて失敗し、入獄しています。出獄後、この松下村塾で、多くに俊才を育てました。塾生の中には、伊藤博文、山県有朋、久坂玄瑞らがいます。
松下村塾は、参道の途中にあります。20ー30人もはいればいっぱいになりそうな、意外に小さな建物です。ここが、明治の揺籃になったとは、思えない質素な建物です。
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