思い出の古寺80:日輪寺(大子町、茨城)2013/02/02 15:31

八溝山 日輪寺 は、坂東三十三観音霊場の内でも、最も行きにくいところとして、江戸時代から知られていました。茨城県と栃木県と福島県の境にある、 八溝山 の山頂近くにあります。水戸から118号線を北上して、袋田の滝で有名な 大子町 に入ります。下野宮で県道に入り、 八溝山 の山頂行きの細い道をうねうね登っていくと、やっとこの寺に着きます。ここは、坂東三十三観音巡礼霊場の21番でもあります。

寺伝によると、この寺は、奈良時代に役行者によって開かれたと言います。その後、弘法大師によって刻まれた観音像を本尊としたと言われます。鎌倉時代には、頼朝の帰依を受けて、繁栄しました。その後、何度か火災に会い、明治時代には山火事に会って、堂宇を全焼しました。現在の本堂は、その後最近になって再建されたものです。

ここからは、遠く、水戸や日立のあたりが望めます。本堂わきの売店では、山菜やきのこを売っていました。ふと見ると、この山を歩いて登って参拝に来た人がいました。たいしたものです。 八溝山を下りたところには、名水が湧いていて、ペットボトルに入れている人がいました。帰りには、袋田の滝を見物して行きました。

今年のPMFは、チェコ風味?2013/02/03 19:58

我が家は、PMFフレンズの会員になっているので、今年のPMFのパンフレットを送ってきました。ファビオ・ルイジが総監督をやめてしまったので、どうなることかと思ったら、イルジー・コウトという人が、首席指揮者に就任したようです。

コウト氏は、チェコ出身で、プラハ交響楽団の首席指揮者を務めています。そういうわけで、今年の演奏曲目には、ドヴォルザーク作品があるようです。

思い出の古寺81:瑞泉寺(鎌倉、神奈川)2013/02/09 16:05

鶴岡八幡宮の前の道を東に進んで、金沢街道に入ります。街道を、さらに東に進んで、大御堂橋の手前で、左ななめに分かれる道に曲がり、鎌倉宮を越えてずっと歩いて行くと、いきどまりの谷に、 臨済宗の古刹、瑞泉寺があります。この谷は、紅葉ケ谷と呼ばれます。

瑞泉寺は、鎌倉時代に二階堂氏によって建立されました。開山は夢窓疎石です。室町時代には、足利基氏の帰依を受けて栄えました。鎌倉五山に次ぐ、十刹の第一とされました。その後、兵火に会って衰えましたが、江戸時代には、水戸光圀によって復興されました。

長い石段を上って行くと、山門があります。門の前には、猫が寝ていました。境内には、仏殿、書院、客殿、地蔵堂などがあります。宝珠造りの仏殿には、千手観音像があるそうです。庭園には、梅、つつじ、水仙などがあり、花の時期には美しい景観となり、この寺を花の寺としても有名にしています。

舎殿の裏に回ると、鎌倉時代の庭園があります。これは、近年、発掘整備されたものです。夢窓疎石の設計によると言われます。庭園には、池や滝や洞窟があり、変化に富みます。背後の山には亭があって、そこからは海まで見渡せるそうです。

オルガン・ウインターコンサート2013/02/10 20:06

今日は、キタラ・コンサートホールのオルガン・ウインターコンサートに、行ってきました。出演は、現在の専属オルガニストのマリア・マグダレナ・カチョル、と第5代オルガニストのモニカ・メルツォーヴァです。

プログラムは、バッハ”前奏曲とフーガ、変ホ長調”、”トッカータとフーガ、ニ短調”、ベートーヴェン”笛時計のための5曲”(連弾)、コシュロー”交響的スケルツォ”などです。

ふたりとも、東欧出身(マリアさんはポーランド、モニカさんはチェコ)で、フランスで学んだという共通点があり、気が合うようで、和気あいあいと進行しました。マリアさんは、白のジャケットに赤のスカートという、ポーランドの国旗を意識した衣装です。現代物に重点を置いた、意欲的な選曲です。

モニカさんは、専属オルガニストをやめてから、10年も経つのに、日本語であいさつしていたのには、驚きました。

思い出の古寺82:聖林寺(桜井、奈良)2013/02/16 15:19

JRまたは近鉄の桜井駅で降りると、三輪山のふもとの桜井です。ここは、山辺の道の南端になります。駅からバスに乗って南にまっすぐ進んでいくと、山のふもとを少し登ったところに 聖林寺前のバス停があります。ここにあるのが、国宝の十一面観音像で有名な 聖林寺です。

この寺は、奈良時代に、藤原鎌足の子、定慧(じょうえ)が父の菩提を弔うため、建立したといいます。鎌倉時代初期にすでに存在したことは、史料によって確かめられています。

本尊は、石像の丈六地蔵菩薩です。この地蔵も珍しいのですが、本尊を圧倒してすばらしいのが、国宝十一面観音像です。この像は、現在、奥の宝物館にあります。この像は、もともと、大神神社の神宮寺にあったのが、明治の廃仏毀釈に遭って、廃棄されようとしていたのを、この寺の住職が救ってここに安置したそうです。天平時代の乾漆像です。天平彫刻のおおらかさの中にも、侵しがたい威厳があります。フェノロサや和辻哲郎も、賞賛したとされます。

帰りは、桜井駅まで歩いて帰りました。古い町並みの中を歩く、気持ちのよい散歩道です。