思い出の美術館178:静嘉堂文庫美術館(二子玉川、東京)2018/03/13 14:07

田園都市線の二子玉川駅で降りてバスに乗って数分行くと、静嘉堂緑地の東端に着きます。ここから緑地の中のだらだらした坂道を上って行くと、静嘉堂文庫美術館が見えてきます。ここでは、三菱社長の岩崎弥之助が収集した書籍・美術品を収蔵・展示しています。

収蔵品では、曜変天目や平治物語絵巻が有名です。私が行ったときには(2018年3月)歌川国貞展をやっていました。主な展示作品は、”北国五色墨”、”仁木弾正、五代目松本幸四郎”、”卯の花月”、”双筆五十三次”、”今風化粧鏡”など。国貞のような幕末の浮世絵になると、テーマや表現が多彩になってきます。

国貞のコレクションといえば、北海道近代美術館にもありますが、静嘉堂文庫のコレクションもなかなかのものです。窓から見える裏庭には、梅が咲いていました。

思い出の美術館179:松濤美術館(松濤、東京)2018/03/14 16:25

井の頭線の神泉駅を降りて北に数分歩くと、マンション街の狭間に特徴的な曲面を持った建築が見えてきます。これが建築家白井晟一が設計した渋谷区立松濤美術館です。ここには特に独自のコレクションは無いようですが、持ち込みの企画展を行っています。

私が行ったときには(2018年3月)、斎藤茂吉の書画の展覧会をやっていました。茂吉が絵が得意とは、知りませんでした。”蕗の薹図”、”南瓜図”などなかなか上手で、彼の短歌も添えてありました。また、画家の平福百穂とも交流があるらしく、百穂の絵に賛をしたりしていました。

地下では、小学生の絵画展をやっていました。地下の中央にある池と噴水が、印象的な建築です。

思い出の美術館180:国立歴史民俗博物館(佐倉、千葉)2018/03/15 13:47

成田の近く、京成の佐倉駅を降りて、西にしばらく歩いていくと、佐倉城跡があります。堀を渡ってカーブする道を上って行くと、国立歴史民俗博物館入口に出ます。ここには、先史時代から近代までの歴史資料が展示されています。

私が行ったときには(2018年3月)、”世界の眼で見る古墳文化”という展示をしていました。それなりに興味深い展示ではあるのですが、展示品の多くがレプリカなのでがっかり。展示の構成も教科書的な通り一遍なもので、突っ込んだところがありません。

地元の佐倉も歴史ある町なのですが、佐倉の歴史についての言及もありません。ハコが立派なのに展示のクオリティが低いというのは、江戸東京博物館を思わせます。

同時に展示していた”和宮ゆかりの雛人形”というのは本物なので、ほっとしました。

子規庵2018/03/17 15:20

山手線の鶯谷の駅から北に向かって歩いて行くと、ラブホテル街の真ん中に正岡子規の旧居、根岸・子規庵があります。ここは、子規の終焉の地ですが、戦争中の空襲で焼失したあと、再建されたものです。

下町風の木造家屋で、子規が病臥してすごした六帖間も再現されています。漱石や鷗外もこの家を訪れたそうです。

縁側からは、「鶏頭の十四五本もありぬべし」「おとといのへちまの水も取らざりき」などの名句が作られた庭が望めます。

アレクサンドル・タロー・ピアノリサイタル2018/03/18 18:31

今日は、話題のピアニスト、アレクサンドル・タローのリサイタルに行ってきました。曲は、バッハの”ゴルトベルク変奏曲”全曲です。私の大好きな曲です。

登場したタロー氏は、線の細い神経質そうな感じです。演奏は、軽やかで空中を飛翔するような、心地よい印象です。ラヴェルを弾くようにバッハを弾く、と表現したら良いでしょうか。

ただし、ペダルを踏みすぎるのとテンポ・ルパートが、私の好みではないかな。でも演奏を損なってはいないので、これもありかなと思います。

アンコールのスカルラッティでも疾走していました。