映画”しあわせの雨傘”2011/01/10 22:07

カトリーヌ・ドヌーヴ主演のフランス映画、”しあわせの雨傘”を見てきました。原題は”ポティッシュ”つまり、飾り物の花瓶です。”飾り物”のような立場にあった、スザンヌは、社長である夫の急病により、雨傘工場の経営をまかされることになります。

ところが、彼女は意外な才能を発揮して、工場の業績を好転させます。そして、女性解放にめざめて、ついには、議員に立候補することになります。

時代の設定を1977年としたところが、面白いですね。このころは、まだ、左翼が輝いていました。でも、社会主義や女性解放が、ノスタルジーとして語られるというのは、ちょっとさびしい気がします。

映画の中には、ミュージカルを思わせるシーンもあって、”シェルブールの雨傘”へのオマージュになっています。

PMFチェンバー・オーケストラ2011/01/13 23:16

PMFの修了生による、室内オーケストラの公演に行ってきました。指揮は、ダニエル・マツカワ、客演のピアノは、尾崎有飛という新人です。プログラムは、オール・ベートーベンで、”コリオラン序曲”、”ピアノ協奏曲第3番”、”交響曲第3番英雄”です。

小編成であることを感じさせない、厚みのある音で、なかなか楽しめました。ピアノの尾崎氏は、アーティキュレーションの良い演奏で、熱演でした。アンコールのリスト”超絶技巧練習曲”も喝采を受けていました。

こごえる真冬にPMFというのも、いいものですね。

思い出の古寺21:長谷寺(飯山観音)(厚木、神奈川)2011/01/15 15:19

小田急線の本厚木駅からバスに乗って、北西に行きます。小鮎川に沿って山のほうに入って行くと、飯山観音前のバス停に着きます。ここから細い流れに沿う、気持ちのいい道を歩いて行くと、長谷寺・飯山観音の山門に出ます。ここは、坂東三十三観音巡礼霊場の6番でもあります。

伝説によると、この寺の起源は、奈良時代の行基までさかのぼるそうです。奥の観音堂に祭られる十一面観音は、縁結びの観音として知られます。ここの鐘楼の鐘は、音が美しいことで有名なのだそうです。境内には桜並木もあります。また、一角には、坂東三十三観音霊場のミニチュア版があります。

ここの近くには、飯山温泉があります。

アリス=紗良・オット、ピアノリサイタル2011/01/16 17:55

最近話題の若手ピアニスト、アリス=紗良・オットのコンサートに行ってきました。プログラムは、メンデルスゾーン”厳格な変奏曲”、ベートーベン”ピアノソナタ第21番、ワルトシュタイン”、ショパン”スケルツォ第2番”などです。

一目見て、”ウエスト細い!、スタイル良い!”と、ミーハーなことを思ってしまいました。反省。一方、演奏は、正統派のベートーベン弾きを思わせるものでした。ただの美人ピアニスト、とは呼ばせないという、強い意志が感じられます。

今日の観客は、いつものキタラの客より、ちょっと質が悪かったようです。演奏中に、ケータイで写真を撮っている人もいました。これでは、札幌のイメージを悪くしますね。

思い出の美術館148:三菱一号館美術館(丸の内、東京)2011/01/22 15:35

東京駅の丸の内口を出て、南西に行くと、三菱銀行の向かいに見えてくる歴史的建造物が、 三菱一号館美術館です。2010年にオープンしたばかりの新しい美術館です。地下鉄で行くときは、千代田線の二重橋前駅から行くのが近いです。

三菱一号館は、19世紀末に、ジョサイア・コンドルの設計によって建てられ、銀行として使われていました。コンドルは、ニコライ堂や旧岩崎邸の設計でも知られている明治の建築家です。その後、老朽化のため、解体されました。最近になって、当初の設計に基づいて、再建されたのが、この 三菱一号館美術館です。

ここには、19世紀末のポスターや版画、工芸品を中心としたコレクションが収蔵されています。特に、ロートレックのポスター作品が充実しているようです。私たちが見に行ったとき(2010年12月)には、”カンディンスキーと青騎士”展をやっていました。カンディンスキー、ミュンター、マルクらを中心とする、ミュンヘンの20世紀美術運動です。なお、このときは、ロートレックの展示はありませんでした。

このあたりは、東京ステーション・ギャラリーや、出光美術館が近くにあり、銀座にも近いので、ロケーションとしては最高ですね。