バッハゆかりの街、ライプチヒ2010/01/03 14:04


次の日は、ドイツの新幹線、ICEに乗って、バッハゆかりの古都、ライプチヒに行きました。バッハ好きの私には、欠かせない選択です。”荒城の月”の滝廉太郎が、留学した街でもあります。

ライプチヒ駅に着いてすぐ、トーマス教会に急ぎました。バッハが楽長をしていた教会です。教会にすべりこむと、なんとかミサにまにあいました。パイプオルガンの伴奏で、バッハのコラールを歌っていました。バッハが弾いたオルガン(まったく同じではないでしょうが)の響きを聴けるとは、大感激です。

その後、メンデルスゾーン・ハウスに行って、室内楽のコンサートを聴きました。ブラームスの”ヴァイオリンとピアノのソナタ、ニ短調”と”ピアノ五重奏、ヘ短調”です。ピアノは、日本からライプチヒに留学している人でした。

お昼は、バッハのコーヒー・カンタータに縁があると言われる、カフェ・バウムで、肉団子入りのスープをいただきました。ふたたび、トーマス教会にもどり、内部をくわしく見学しました。バッハを描いたステンドグラスもあります。内陣にあるバッハのお墓におまいりして、ろうそくを捧げて来ました。


Yokoがオペラづいてしまって、この日もまた、ライプチヒ・オペラハウスへオペラを聴きに行くことになりました。2日続けてオペラという強行軍です。演目は、ワーグナーの”ローエングリン”です。音楽は、伝統あるゲバントハウス・オーケストラです。今回もまた、おかしな演出で、ローエングリンを小学校の教室内の出来事として演じています。オペラ初級者の私としては、もっと普通の演出で見たかったですね。主役のローエングリンの声が出なくなって、代役がかげで歌うというアクシデントもありました。

ライプチヒ・オペラハウスは、ゼンパー・オーパーとはうって変わって、あっさりしたデザインです。東欧アールデコとでも呼びたいような、直線を多用した様式です。今回の演出にはよく合っていました。


壁崩壊20周年を迎えるベルリン2010/01/03 20:08


次の日は、再びICEに乗って、ベルリンに行きました。ベルリンといえば、森鴎外の”舞姫”の舞台です。また、ベルリン表現主義の画家たちも、この街で活躍しました(そして私には、ルー・リードの”ベルリン”も思い出されます)。今年は、ちょうど、ベルリンの壁崩壊の20周年で、いろいろなイベントがあるようです。

まず、私たちの敬愛するバウハウスの作品を展示する、バウハウス・アルヒーフに行きました。バウハウスは、20世紀デザインの基礎を作った造形・教育集団です。ここには、彼らの、建築、テキスタイル、グラフィック、家具、陶芸などの作品が展示されています。Yokoは、バウハウスの色彩教育プログラムに大いに興味を持ったようです。


その後、第二次大戦の爆撃で破壊された、カイザー・ウィルヘルム教会に行きました。oteshioさん、Nさん、おすすめの場所です。破壊された教会のとなりに建てられた、ガラスの教会が実に美しい。ちょうど、クリスマス・マーケットをやっていて、たいへんな人出です。

夕方には、プロイセン王家の王立磁器工房、KPMの展示会、”KPM Welt”に行きました。ティアーガルテン駅近くのKPMでやっています。磁器の絵付けの見学をしてきました。

次の日は、ベルリンの中心、ブランデンブルグ門に行きました。寒さにもかかわらず、多くの観光客が来ています。門の前では、壁崩壊20周年のパーティーの準備がされていました。そして、南に、ポツダム広場に向かいました。ここには、壁の一部が保存されています。

次に、ポツダム広場の近くの、クルトゥーア・フォーラムに行きました。ここには、複数の美術館が集まっています。この中のゲメルデ・ガレリー(絵画館)に入りました。ここには、フェルメール、ブリューゲル、レンブラント、デューラーなどの名作が並んでいます(くわしいことは、また、”思い出の美術館”で)。


夜は、待望の、ベルリン・フィルハーモニーのジルベスター・コンサートです。とは言っても、大ホールのベルリンフィルとランランのチケットは取れなかったので、室内楽ホールでやるベルリン・シンフォニエッタのコンサートです。フィルハーモニーに着くと、”チケット売ってください”という紙を持った、日本人らしき人の姿がちらほら。

大ホールに行く得意げな人々を横目で見ながら、私たちはわきの室内楽ホールへ。六角形の舞台を客席がかこんだ、すっきりしたモダニズムのデザインです。プログラムは、バッハの”ブランデンブルグ協奏曲3番”、モーツァルトの”ヴァイオリン協奏曲4番”、チャイコフスキーの”弦楽セレナーデ”などです。

ブランデンブルグ協奏曲では、大丈夫かなと思うところもありましたが、弦楽セレナーデはなかなかのできでした。びっくりしたのは、キタラでもめったに起こらない楽章間拍手が、盛大に起こったことです。これが本当にベルリンの観客でしょうか? ともかく、オーケストラ、観客を含めて、ゆるーいムードで、楽しめました(ベルリンフィルのチケットが取れなかった負け惜しみでしょうか)。

次の日は、朝おきると、雪が積もっていました。雪景色のベルリンもなかなかです。ベルリン市民は、つるつるとすべっていましたが、私たち札幌市民は、こういうとき強いですね。この日は、シュプレー川の中州にある博物館島に行きました。

まず、その中のペルガモン美術館に開館前に行くと、雪にもかかわらず、すでに行列ができていました。待たされた後、中に入ると、ゼウスの大祭壇に圧倒されます。その他に印象深かったのは、イシュタルの門の青いタイルの美しさです。

そして、南側にある、旧ナショナル・ギャラリーに行きました。ここも、行列です。ここには、モネ、マネなどの印象派の作品、象徴主義のベックリンなどの作品があります。

次に、となりの新美術館に入りました。ここでは、エジプト美術の華、”ネフェルティティ像”を見ます。エジプト美術の中でも、アマルナ時代の美術は卓越しています。疲れてきたので、その他は流して見ました。

その後、博物館島近くのアンペルマン・レストランで食事して、アンペルマン・ショップへ。アンペルマンというのは、旧東ドイツの歩行者用信号のキャラクターで、そのかわいらしさから、人気になっています。

夜は、またまた、Yokoの熱烈な希望で、ウンターデンリンデンの国立歌劇場でオペラ観賞です。今度は、モーツァルトの”魔笛”です。こちらの劇場は、ドイツ・ロココ様式の装飾たっぷりの建築です。私たちの席は、3階のはしのほうで、舞台が3/4くらいしか見えません。しかも、さすがに疲れてうとうとしてしまい、残念なことをしました。しかし、パパゲーノの歌と、夜の女王のアリアのときは、しっかり起きて聴き、堪能しました。衣装や舞台装置は現代化していましたが、基本的な演出は正統派と言ってよいものでした。

このようにして、いそぎ足の旅行は終わりました。私たちも若くはないので、少しセーブしようと思っていたのですが、行ってみると、あれもこれも見たくなるものですね。最後には、ベルリン発の飛行機の遅れで、札幌到着が1日ずれるというオマケまで付きました。