思い出の古寺68:中禅寺(日光、栃木県)2012/07/07 20:33

東京から、東武電車で日光に着きます。日光駅で、東武バスの中禅寺行きに乗って、中禅寺温泉で降ります。中禅寺湖の湖畔にそった道を南下して、しばらく歩くと、多くの伽藍よりなるお寺が見えてきます。「立木観音」とも呼ばれる古刹、中禅寺です。ここは、坂東三十三観音巡礼霊場の18番でもあります。

ここは、奈良時代に、勝道上人が、日光の男体山を観音浄土と見立てて、建立したと言われます。本尊は、上人が湖畔に立つ桂の立ち木に刻んだという、十一面千手観音像です。この寺は、もともとは、二荒山神社の境内にあったのだそうですが、明治時代に山崩れで流されて、この地に移りました。

本堂に、木造の十一面千手観音像があります。見上げるような大きさで、おおらかな造りです。京都の広隆寺の十一面千手観音に似ていると思いました。おそらく平安時代の作でしょう。重要文化財に指定されています。観音像の両脇には、源頼朝の寄進という、四天王像があります。

境内には、このほかに、大黒天堂、愛染堂などがあり、背後の高台には五大堂があります。このあたりは、歌ケ浜と呼ばれ、ここから見る中禅寺湖の眺めも見事です。帰りには、華厳の滝を見ていきたいですね。