思い出の美術館42:無言館2007/09/22 16:31

思い出の美術館42:無言館(上田、長野)

信濃デッサン館から十数分のところにあるのが、窪島誠一郎氏が建てたもう1つの美術館、無言館です。コンクリート打放しの小さな建物で、上から見ると十字の形をしています。

ここには、戦争で若くして没した画学生の絵が展示されています。これは、窪島氏が画家の野見山暁治氏といっしょに全国の戦没画学生の遺族をまわって、苦労して集めて来た作品です。作品の中には、洋画と日本画がともにあります。いずれも、才能を感じさせる作品ですが、画家は才能を開花させることなく生を奪われました。

彼等の中には、戦場に小さなノートを持っていって絵を描き続けた人もいます。残された、持ち主のいない絵の具箱も、涙をさそいます。

この美術館は、その性格からして、あまり訪れる人はいないのではないかと、心配していましたが、観光バスがやって来て、けっこう混んでいたので、ほっとしました。